シャープは,「きぼう」日本実験棟への搭載に向けて,空気中を浮遊する細菌やカビ菌などの微生物の量を短時間で自動計測できる微生物センサ「BM-300C」3台を,宇宙航空研究開発機構(JAXA)に納入した(ニュースリリース)。
国際宇宙ステーションに取り付けられた「きぼう」日本実験棟では,宇宙飛行士が長期間滞在し,微小重力環境を利用した科学実験などを行なっている。国際宇宙ステーション/「きぼう」は地上から400㎞上空にあり,完全閉鎖された環境となっている。宇宙飛行士の長期滞在を維持するには,適切な環境維持が不可欠であり,そのためには常時の環境モニタが重要となる。
このセンサは,計測するエリアの空気を吸引した後,検出対象となる微生物を抽出。独自手法を加えた蛍光検出法により,微生物量を約10分で自動計測する。連続計測にも対応しているため,微生物量の経時変化をモニタリングすることも可能。
同社は同センサを「きぼう」船内における環境モニタリング装置として,微小重力に対応したセンサに改修し,JAXAに納入した。今後,「きぼう」船内における微生物の状況をリアルタイムに計測することが期待されている。