世界半導体市場,メモリとマイクロコンポーネントが牽引

IHS Technologyは4月20日「2014年 世界半導体マーケットシェア・ランキング(確定値)」を発表した。それによると,2014年の半導体市場は3,545億ドルであった。2013年の半導体売上3,247億ドルと比べ9.2%増であった。

IHSの昨年12月の暫定速報値では9.4%を予想していた。特に第4四半期(10-12月期)は,対前年比9.7%増と大きな成長だった。2013年は,対前年比6.6%増,2012年は2.6%減,2011年は1.3%増であり,この2014年の成長は,2010年対前年比33%増以来となる。IHSは,2014年をピークにして成長率は鈍化する一方,2015年も引き続きプラス成長を続けるとみている。また2015年は対前年比5%を超えるだろうと予測し,これにはメ モリビジネスとマイクロコンポーネントビジネスが起因するとしている。

トップ3を見ると,世界1位はIntel,2位はサムスン・エレクトロニクス,3位クアルコムとなっている。ルネサス・エレクトロニクスに代ってトップ10にランクインしたのは,昨年MStarを買収したメディア・テック。Top20を見ると,アバゴ・テクノロジーも昨年LSIを買収し,14位にランクインした。

2015年,トップ10を射程圏内にしようとしているのは,フリースケールを買収したNXPと,インターナショナル・レクティファイア社を買収したインフィニオン・テクノロジー。トップ25のサプライヤを見ると,21社のサプライヤが対前年比で売上を伸ばしたが,残りの4社は売上を落とし苦戦した。その内の3社は日本のサプライヤとなっている。

IHSがカバーしている7つの主要セグメントの中で,成長率を2013年と2014年で比べると,2014年は5つのセグメントが,2013年の成長率よりも高くなった。またIHSがカバーしている128のデバイスの内,90品種がプラス成長した。300社を超える半導体マーケットシェアランキングのサプライヤの内,全体の64%のサプライヤは,対前年より売上を伸ばす結果となった。

メモリビジネスは,DRAMが引き続く好調であった。メモリ市場全体でみると,2013年の対前年比28%と比べ,2014年は17%と10%以上減速した。マイクロコンポーネントICは,2013年は対前年比1.6%減であったが,2014年は対前年比8.9%増と大きく成長した。この成長率はメモリの次に大きな成長となっている。中でもMPCは,対前年比10.7%増,MCUは5.4%増であった。DSP(Digital Signal Processors)ICも過去7年の間で 6度対前年比減であったが,2014年は対前年比増となった。

アプリケーション別でみると,コンスーマーアプリケーション市場を除く,その他5つのアプリケーションは対前年比売上を伸ばした。特に産業向けアプリケーション市場は,対前年比17.8%増と最も大きな成長をし,続いてデータ・プロセッシング市場の13.7%,オートモーティブ市場の10.0%増と3つのアプリケーションで対前年比二桁増となった。ワイアレス通信市場は,対前年比7.8%増となった。