富士通研究所,富士通テン,ソシオネクストは,文部科学省が主催する「平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」において,「車の周囲を3次元的に見せる全周囲立体モニタ技術の開発」で科学技術賞(開発部門)を受賞した。また,富士通研究所は,「エレクトロニクス実装用電子セラミック材料とプロセスの研究」で科学技術賞(研究部門)を受賞した(ニュースリリース)。
文部科学省では,科学技術に関する研究開発,理解増進などにおいて顕著な成果を収めた者について,その功績を讃えることにより,科学技術に携わる者の意欲の向上を図り,我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とする科学技術分野の文部科学大臣表彰を定めている。
「車の周囲を3次元的に見せる全周囲立体モニタ技術の開発」は,3次元グラフィックス処理技術を用いるアプローチによって,4台の車載カメラの映像から,車両周辺だけでなく遠景まで含む広範囲の状況を,360度,立体感のある全周囲立体映像として合成し,ドライバーが見たい方向から自由に滑らかに視点を動かしながら表示できる「全周囲立体モニタ技術」を確立し,実用化した。
「エレクトロニクス実装用電子セラミック材料とプロセスの研究」は,セラミックスの表面凝集エネルギーを高めたナノ粒子を中間原料に用いることで,樹脂の耐熱温度以下,かつ金属の融点以下で結晶性に優れた電子セラミック結晶膜を形成する手法を見出し,その膜形成のメカニズムも解明したもの。これにより,従来困難であった銅を内部配線とした多層セラミック構造を低温で形成できるようになった。