Low-E複層ガラス,省エネ住宅ポイントにより上昇基調

矢野経済研究所では,環境・省エネ関連窓材市場の調査を実施した(ニュースリリース)。ここでの環境・省エネ関連窓材とは,省エネ目的の建築用ウィンドウフィルム(建築用省エネフィルム),Low-E複層ガラスを指す。

その結果,2014年の環境・省エネ関連窓材市場(国内出荷+輸出分,メーカ出荷数量ベース)は前年比105.2%の1,425万㎡の見込みとなった。同市場は,2012年には前年の反動でマイナスとなったが,2013年以降はコンスタントに年率5~10%程度の成長を維持している。

省エネを目的とした建築用ウィンドウフィルム(建築用省エネフィルム)の需要は,2011年の電力不足により,冷房効率向上のため建物窓への施工のニーズが増えたことから急拡大したが,2012年には前年の反動で大幅に縮小した。市場の混乱は2013年には収束し,それ以降は微増傾向で推移している。

こうした中,フィルムメーカサイドでは夏場の暑さ対策だけでなく,冬場の暖房効率向上も含めオールシーズンでの省エネ効果を発揮する製品を開発しており,熱貫流率を従来よりも低く抑えたグレードの新製品(低熱貫流フィルム)が相次いで発売されている。2014年の建築用省エネフィルム市場(国内出荷+輸出分,メーカ出荷数量ベース)は310万㎡(前年比101.6%)を見込み,このうち50万㎡(前年比111.1%)が低熱貫流フィルムとなる。

2014年のLow-E複層ガラス市場(国内出荷+輸出分,メーカ出荷数量ベース)は,消費税増税の影響を受けて,前年比106.2%の1,115万㎡を見込む。2015年は国土交通省の「省エネ住宅ポイント制度」により,再びLow-E複層ガラスの普及率は上昇基調に向かうと見られ,2015年のLow-E複層ガラス市場(同ベース)は順調に伸びて前年比112.1%の1,250万㎡に成長と予測している。

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