ニコン,超解像顕微鏡の新製品を発売

ニコンの子会社,ニコンインステックは,ナノメートルレベルの動態観察に対応した超解像顕微鏡「N-STORM」の新製品,「N-STORM 4.0」の販売を2015年5月より開始する(ニュースリリース)。

同社は,従来の光学顕微鏡の解像限界(200nm)の約10倍という高い分解能を実現した超解像顕微鏡「N-STORM」を2010年5月に発売しているが,超解像分野の研究者が2014年ノーベル化学賞を受賞したことにより,生命科学分野における超解像イメージングへの期待がますます高まる中,従来の「N-STORM」では取得困難であったミトコンドリアの分裂・結合のような生命現象を超解像イメージングで取得可能となる「N-STORM 4.0」を開発した。

新製品は,sCMOSカメラ(科学研究用目的に開発された,低ノイズ,高速フレームレートなど高品位な画像取得が可能なCMOSカメラ)採用により撮像速度を従来比約10倍に向上させることで,従来,「分単位」だった一枚あたりの撮像時間を「秒単位」にまで短縮し,観察対象の動態を約20nmの解像度で撮像できるようになった。

「N-STORM」の画像構築には1分子の点像の集合を使うため,画質の向上においては単位面積当たりの点の密度を高めることが必要となる。レーザ照射方式の改良および撮像フレーム数を増やすことで,点密度の高い,より鮮明な画像が構築できるようになった。さらに
撮影モード「Wide-view」では,撮影エリアが従来比4倍(80μm×80μm)に拡大し,広範囲な超解像観察が可能となった。