2014年度光産業国内生産額,成長率1.5%の8兆5,916億円―光産業技術振興協会が発表

光産業技術振興協会(光協会)は企業313社に対してアンケート調査を実施し,光産業国内生産額・出荷額について,2013年度実績と2014年度見込み,2015年度の定性的予測の結果を発表した。


光産業国内生産増減額の分野別寄与度推移

光産業全出荷増減額の分野別寄与度推移

 

それによると,2013年度国内生産額実績は成長率18.0%の8兆4,672億円で,2014年度見込みは成長率1.5%の8兆5,916億円と前年度比で微増となった。

出荷額については,2013年度実績が成長率12.0%の16兆9,311億円,2014年度見込みが成長率-0.3%の16兆8,742億円と微減となっている。成長率鈍化の要因について,光協会・専務理事の小谷泰久氏は,「これまで成長率を押し上げてきた太陽光発電分野の伸びが緩やかになってきた」とコメントした。

2015年度は国内生産・出荷額ともに前年度比で「やや増加」と予測されているが,分野別に見ると,市場環境の変化によって明暗が分かれそうだ。特に,光ディスクなどの情報記録分野やデジタルカメラなどの入出力分野は,他製品への代替や低価格化,海外生産の加速が大きく影響し,依然として厳しい状況が続くことが予想される。

今回の調査結果で,生産額・出荷額ともに高い伸び率を示したのがレーザ加工機だ。自動車分野を中心とする設備投資が活発化していることで,CO2レーザ加工機や固体レーザ加工機が好調に推移。さらにファイバレーザは2013年度に比べて3倍に伸びている。一方で,今後は半導体レーザによるダイレクト加工機の需要増も期待されている。

また,今回新たに調査項目に加えたというレーザAM(Additive Manufacturing)装置については,5億6,100万円の2013年度生産額に対して,2014年度見込みは30億1,300万円と大幅に伸びた。2014年出荷額も432.0%の成長率で30億2,200万円と高い伸びが見込まれている。

小谷氏は,「2014年度出荷額を見てみると,日本の需給の特長として部品・ユニット品が好調だが,システム品が低調となっている」と語ったが,例えば,2014年度の情報通信分野の生産・出荷額ではメトロ・幹線系や加入者向けがマイナス成長となっており,光通信システム関連が伸び悩んでいるのに対して,通信用受発光素子,光伝送リンクは堅調に推移している。これは海底ケーブル敷設に伴う海外からの受注やデータセンタ向け,無線基地局向けの需要増が起因しているためと見られている。