SCE,有機ELディスプレイを用いたゲーム用HMD試作機を公開

ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は,2014年3月に発表した「プレイステーション 4」(PS4™)向けバーチャルリアリティ(VR)システムHMD「Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)」(以下Morpheus)の新型試作機を発表した(ニュースリリース)。

MorpheusのVRヘッドセットには,従来機の5インチの液晶ディスプレイにかわり,解像度1920×RGB×1080の5.7インチの有機ELディスプレイ(OLED)を採用した。これにより視野角が向上するとともに,映像の残像感やブレを大幅に低減させることが可能になり,細緻に描き出されたゲームの仮想世界に入りこんでいるような感覚を高める。

OLED採用に伴い,120fpsの映像表示に対応し,1秒間に120回の画像表示ができるようになった。さらに,全てのPS4™はシステムソフトウェアのアップデートにより,Morpheusに接続して使用する際に120fpsの映像出力が可能になる。これらを組み合わせることで,非常に滑らかに仮想世界を表現し,ゲームの世界の中に自分自身が存在するかのような体験を,より自然に楽しむことができる。

また,従来機のVRヘッドセットに搭載していた6つのLEDの数を9つに増やしたことにより,VRヘッドセットを装着したユーザの頭部の位置をPlayStation®Cameraがさらに正確に検知する。また,検知した頭部の動きを映像に反映するまでの遅延時間が,システム全体の最適化を通じて減少したため,頭部の動きにより一層即したVR体験を可能にする。

この試作機を用いて,ゲーム開発者はMorpheus対応タイトルの開発が可能となる。この試作機は3Dオーディオやソーシャルスクリーンなど,従来機から搭載している機能も引き続きサポートする。また60fpsのゲームを120fpsで出力するためのSDKも提供することから,従来機で開発していたコンテンツも新型試作機にて引き続き開発することができる。

関連記事「日立,HMDとAR技術を用いたハンズフリー型現場保守・点検作業支援システムを開発」「日立,視認性の高い小型HMD用LED光学エンジンを開発」「QDレーザ,ロービジョンケア向け網膜走査型レーザアイウェアプロトタイプを開発」「ブラザー工業,新型ヘッドマウントディスプレイを発表