スペクトラ・フィジックス,産業用フェムト秒レーザに新モデルを追加

スペクトラ・フィジックスは,産業用フェムト秒レーザに新モデルをラインナップした。そのうち「Spirit One」は,コストパフォーマンスを追求した電源一体型モデル(プレスリリース)。

このレーザは,400fs以下の超短パルス,高いパルスエネルギーと平均出力,最大1MHzまでの繰返し周波数可変,堅牢な電源一体型のコンパクトモデルで,顕微外科手術応用,フェムト秒マイクロマシニング,医療用デバイス製造,光遺伝学応用,多光子顕微鏡などの高精度なアプリケーションへの進化を可能にする。

レーザヘッドと電源を一体化したコンパクトなプラットフォーム,“It’s in the Box™”コンセプトデザインを採用し,平均出力3W以上,パルスエネルギー30μJ以上を1030nmにて出力するのに加え,パルス幅をソフトウエアコントロールにより400fsから3psまで数秒のうちに変更することも可能とし,各種アプリケーションに柔軟に対応する新たな機能を兼ね備える。

また,出力パルスの高速選択,パワーコントロールを可能にするパルスピッカーを内蔵,効率的な各種プロセスに対応している。製品は,既に多くの市場実績を誇る産業用超短パルスレーザ「Spirit」をベースに設計され,24時間 / 週7日運転要求条件下における信頼性を実証している。

産業用フェムト秒レーザ「Spirit」シリーズの新しいラインアップとして高出力モデル「Spirit1040-16」も加えた(ニュースリリース)。この製品は平均出力>16W,最大エネルギー40uJを出力し,繰り返しは1MHzまで可能。

半導体マイクロ加工における,高速かつコールド・プロセス,フラットパネルディスプレイ製造やその他の超精密加工に適している。また,多くの導入実績を誇る産業用プラットフォームであり,高い信頼性を確保するために過酷な環境試験にも合格している。

フェムト秒レーザによる加工プロセス“ClearShape”は,ガラスやサファイアなどの硬質・脆弱性素材に対し高い加工性能をもたらす現在特許申請中の新しい加工プロセス。化学強化ガラスの割断において1,000ミリメートル/ s以上の速度を可能にし,カット品質においても他のレーザプロセスに比べ,チッピングが無く,エッジのラフネスはRa<01um,抗折強度>650 MPaを実現している。

フェムト秒加工レーザとして産業界に幅広く使用されているSpritレーザファミリーを用いたこの新しいプロセスは,モバイル,ウエアラブルデバイスに使用されるウインドウやその他の24/7の運用が要求される応用にも適している。