GEオイル&ガス,金属3Dプリンタでバルブ部品を製造

日本GEのオイル&ガス部門(GEオイル&ガス)は,新潟県刈羽郡の刈羽事業所に松浦機械製作所製の金属光造形複合加工機(3Dプリンタ)を導入し,エネルギー産業用プラントにおいて様々な用途で用いられる特殊仕様のコントロールバルブ部品製造を開始した(ニュースリリース)。

金属3Dプリンタは,従来までの製造方法では困難だった中空構造,曲面形状やメッシュ等,複雑な形状のものづくりが可能となることから,バルブ部品設計の自由度が大幅に向上する。また一体成型が可能となることで,複数の加工プロセスが不要になるため,従来方式よりも製造日数の短縮化や低コスト化が実現する。具体的には,従来の製造方法では約3か月必要と見込まれていた特殊な形状の部品製造が,約2週間で可能となるなど,納期の短縮化に大きく貢献したという。

GEはこれまでにも米国本社にて航空機エンジンの部品等の製造で金属加工用の3Dプリンタを用いてきた。日本でもGEヘルスケアの日野工場にて樹脂加工用の3Dプリンタを導入・活用するなど,新しい「ものづくり」を示す「アドバンスド・マニュファクチャリング」を積極的に導入・推進してきた。

しかし,日本においてGEが金属3Dプリンタを導入するのは今回が初めてとなる。同社では,今後も金属3Dプリンタの優れた機能を活かして,日本における顧客の幅広いニーズにタイムリーに応える新しいものづくりの展開をすすめていくとしている。

なお,同社が今回導入した松浦機械製作所の金属3Dプリンタ「LUMIX Avance-25」は,ファイバレーザによる積層造形とマシニングセンターによる金属切削加工という工程を1台で実現している。

主な仕様は,
•レーザの種類 : Yb ファイバーレーザ
•レーザ出力 : 400W
•最大工作物寸法 : 250mm x 250mm x 150mm
•外観寸法 : 1800mm x 2050mm x 2500mm
•重量 : 4500kg

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