新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とIHI,神戸大学およびネオ・モルガン研究所は,戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業において,鹿児島県内にバイオ燃料用藻類(ボツリオコッカス)の屋外大規模培養の試験設備を建設し,2015年度に運用を開始する(ニュースリリース)。将来的に,微細藻由来バイオ燃料製造のコスト低減につながるプロセス全体の改良が期待される。
次世代バイオ燃料の生産においては,食料生産と競合しない原料を用いた技術開発が強く求められている。微細藻類は,サトウキビやトウモロコシと違い食料生産の土地と競合する心配がなく,ダイズなどの油糧植物に比べても油脂生産性が高いことから,世界的にもバイオ燃料製造の主たる原料として,その活用が期待されている。
2012年度に開始した戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業において,増殖性に優れたボツリオコッカス株を活用することで,2013年度は,100㎡規模での屋外安定培養に成功した。加えて,さらなるコスト低減のため,増殖性の高さに加え,藻体径の増大,浮上性の向上といった事業化での製造コスト削減に資する有用形質を集約した新株の獲得にも成功している。
今回,これらの成果を事業化へ繋げるために事業グループは,鹿児島県内(鹿児島県鹿児島市七ツ島)に,国内最大級となる1,500㎡にスケールアップした培養池を有する屋外大規模培養試験設備を設置し,課題抽出等を含めた安定的な藻体量産技術の確立を目指す(現在建設中,2015年3月完成予定)。
更に,屋外大規模培養試験と並行して,将来の事業実施場所の選定(海外を想定)を進めると共に,燃料製造コスト低減に向けたプロセス全体の改良を進めていく。
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