東芝は,次世代半導体露光技術「ナノインプリントリソグラフィ」(以下,NIL)の開発を加速すべく,昨年12月に基本合意した韓国SKハイニックス社との共同開発について,正式契約を締結したと発表した(ニュースリリース)。今年4月から,東芝の横浜事業所において,両社の技術者がNILプロセスの要素技術の共同開発を開始し,2017年の実用化を目指す。
東芝は,これまで半導体製造装置メーカ・材料メーカ各社と共同でNILの開発を進めてきた。同社が持つ半導体製造プロセス技術と半導体製造装置メーカ・材料メーカ各社の持つ技術を融合させて,装置・プロセスの両面からNILの実用化を目指してきた。
今回,同社が進めるNILのプロセス開発をSKハイニックス社と共同で行なうことにより,同社の開発コストを削減させるとともに,実用化に向けた技術開発を一層加速する。
NILはメモリの更なる微細化を目指す次世代半導体露光装置の候補の一つ。現在一般的に使用されている「フォトリソグラフィ」は回路パターンを描いたフォトマスクの上からレーザ光を照射し,シリコンウェハに転写するのに対し,NILは回路パターンが掘り込まれた型をシリコンウェハに直接押し当てて転写するため,より微細な加工の実現が期待されている。
東芝は,今後もNILやEUV露光技術など次世代露光技術の開発を積極的に進めるとともに,メモリ製品の微細化を着実に進展させることでメモリ事業を更に強化しくとしている。