日立ハイテク,蛍光X線膜厚計の新製品を発表

日立ハイテクノロジーズ(日立ハイテク)の100%子会社で,分析計測装置を製造販売している日立ハイテクサイエンスは,小型化・微細化が進む電子部品に対応し,直径100㎛以下の微小部のメッキ膜厚や組成を,迅速・安全・容易に検査する蛍光X線膜厚計「FT150シリーズ(FT150/FT150h/FT150L)」を開発し,日本国内・海外向けに発売する(ニュースリリース)。価格は(FT150/FT150h)が1,750万円~,(FT150L)が2,000万円~。
 
スマートフォンやタブレット端末などのモバイル電子機器の高機能化や,自動車の電子制御の高度化などに伴い,搭載される半導体や受動部品,コネクタなどの電子部品は小型化・微細化が一段と進んでいる。これら小型電子部品の性能や品質の確保,コスト削減を実現するためには,直径100㎛以下のごく狭い領域のメッキ膜厚や組成の検査を,高精度かつ効率的に行うことが求められている。

発売する蛍光X線膜厚計は,X線を集光するポリキャピラリを採用した,微小部のメッキ膜厚測定を高速で行なえる高性能機。X線検出機構の改良により,プリント基板やコネクタなどに主に用いられるAu/Pd/Ni/Cu(金/パラジウム/ニッケル/銅)多層メッキの膜厚検査で,測定スピードを同社従来機(FT9500X,以下同)と比較して2倍以上に高めた。

「FT150h」では,新開発のポリキャピラリにより超小型チップ部品の端子メッキ測定も可能。また従来機同様,筐体の構造をX線が漏えいするリスクが非常に少ない密閉型とし,作業員の安全・安心に配慮している。

併せて新たに設計した試料室扉は大開口にもかかわらず開け閉めが軽快で,かつ大型観察窓によりサンプルの出し入れや位置決めが容易にできる。さらに操作ソフトはアイコンやナビ画面で操作性を高めるとともに,自動データ記録などにより作業者の負荷を軽減する。これらにより,「FT150シリーズ」は高精度・迅速なメッキ膜厚検査を実現し,検査工程の効率化とコスト削減に貢献するとしている。