旭化成,高輝度深紫外LED量産ラインの稼働および製品販売を開始

旭化成のグループ会社である米Crystal IS, Inc.(Crystal IS社)は,富士支社内の高輝度深紫外LED初期量産ラインで生産を開始し,水質の検査や管理などに用いられる分析・計測機器向けの深紫外LED「Optan」を発売した(ニュースリリース)。

Crystal IS社では,窒化アルミニウム(AlN)の単結晶基板上に薄膜を形成した構造の深紫外(250~280nm)LEDの製品化を進めている。原料の結晶から製造しており,同社の深紫外LEDは,長寿命かつ世界トップクラスの高い発光出力を有している。今回,富士支社内に初期量産ラインが完工し,本格的な製品販売を開始した。

同社では,分析・測定機器向けの「Optan」に加えて,水や空気の殺菌等に効果のある製品開発も進めている。紫外線殺菌は,幅広い分野で使用されているが,これまでは水銀ランプやキセノンランプ等が用いられていた。

これに対し,同社が開発した深紫外LEDは,水銀を使わずに,殺菌に最も効果的な260nm周辺の波長を発光できる(出力:0.5~4mW@100mA)。しかも薬品を使わず,環境にやさしい殺菌が手軽にできるため,今後,飲料水や食品,空気など幅広い分野で使用されていくことが期待されている。

「Optan」の概要は以下の通り。
1.AlNの単結晶基板上に薄膜を形成
2.発光出力;0.5~4mW@100mAと高輝度な発光を実現
3.高信頼性、長寿命
4.発光波長;250~280nm
5.パッケージ形状;TO-39
6.発光角度;15°