小糸製作所,1灯でハイ・ロービームを実現するヘッドランプを開発

小糸製作所は,ヘッドランプのハイビーム(走行ビーム)とロービーム(すれ違いビーム)を1つのLEDで切り替える「LED1灯式 バイ・ファンクション プロジェクタ」を開発,世界で初めて量産化に成功したと発表した(ニュースリリース)。

LEDヘッドランプは,「点灯速度が速い,発光色が白く視認性に優れている」「光源寿命が長く,消費電力が低い」等の特長があり,安全・環境に優れている。

しかし,従来,LEDヘッドランプのハイビームとロービームの機能は個別のLEDユニットを使用して構成していた(2つのLEDユニットが必要)。開発品は,両機能を1つのLEDで実現するため,これまでの光学系を刷新すると共に,システムのコンパクト化を図ったことで,ハイビームとロービームの機能を1つのLEDユニットで構成することができた。

同社はこの技術により,LEDユニットの省電力,世界最小・最軽量を実現した。また車の一層の低燃費化に貢献するとともに,ヘッドランプ意匠の自由度が飛躍的に向上することにより,多様化する車両スタイリングに対応出来るものと期待している。

開発品は,従来の1.6倍の明るさ(2,250lm)を持つ新規開発の高光束LEDと,超小型点灯回路(LEDドライバモジュール,従来比70%(約46cm2)小型化)をLEDユニットへ内蔵した。さらに電動ファンとヒートシンクにより冷却性能を高めることにより,従来のLEDユニットに比べ,サイズ縮小70%(約2,700cm3),軽量化60%(約 1,300g/台)を実現した。また,消費電力についてもLEDユニットを2つ使用する場合に比べ,約25%(20W/台)低減した。

同社は,今回開発したLED1灯式バイ・ファンクションプロジェクタを「小糸標準LEDユニット」として位置付けている。11月発売のトヨタの「プリウス α」への納入を皮切りに,今後世界各地域へ展開していくとしている。

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