島津製作所,脳機能計測用ポータブル近赤外光イメージング装置を発売

島津製作所は,小型化・軽量化によって場所を選ばず脳機能の計測が可能な近赤外光イメージング装置「SPEEDNIRS(スピードニルス)」(医療用)/研究用ポータブル光脳機能イメージング装置「LIGHTNIRS(ライトニルス)」 (研究用)を発売した(ニュースリリース)。

近赤外光イメージング装置は,生体透過性の高い近赤外光を頭部に照射し,生体内で散乱・吸収されながら反射される光の一部を検出することで,脳表面の活動状態をリアルタイムに可視化する装置。安全かつ自然な状態で脳の活動状態を測定することができるという特長があり,医療分野をはじめ発達心理学や教育学,認知科学や工学分野などの幅広い研究分野において用いられている。

この装置は従来製品に比べ大幅に小型・軽量化(大きさ:W250×H70×D200mm(突起部を含まず),重量:1,600g)することで,優れたポータビリティを実現した。認知機能用,運動機能用,精神科用と用途および測定部位によって専用プローブを選択して使用できる。

医療用SPEEDNIRSは,本体を卓上で使用できる近赤外光イメージング装置として初めて薬事認証を受けた。うつ病の鑑別診断補助(2014年4月に保険適用)として問診での診断に客観的なデータを加えることで適切な治療に役立てたり,脳卒中の回復期のリハビリテーションの訓練効果を客観的に評価するなどの用途が期待される。

研究用LIGHTNIRSは専用のキャリーバッグを用い,装置本体を背中もしくは腰周りに装着できるウエアラブルタイプ。脳活動から消費者の嗜好や意思決定プロセスなどを探ることを目的として近年研究が盛んに行なわれているニューロマーケティングや,複数人での同時計測による多人数間のコミュニケーション等の研究や,脳信号をリアルタイムに処理し外部機器などを制御するブレインマシーンインタフェースの研究など,脳科学応用市場で活用できる。