ニデックは,再生医療ベンチャー企業のジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)に開発委託している,自家培養角膜上皮の有効性及び安全性の確認を目的とする治験計画届書を,J-TECが10月14日付で医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出し,今後,大阪大学医学部附属病院をはじめとする4施設において治験を開始すると発表した(ニュースリリース)。
この自家培養角膜上皮は,ニデックがJ-TECに開発委託を行ない,J-TECの3つ目の製品パイプラインとして研究開発を進めているもの。患者自身の角膜組織を原材料とし,培養角膜上皮用温度応答性培養皿(セルシードとの共同開発)にて培養・製造した自家培養角膜上皮シートを,片眼性の角膜上皮幹細胞疲弊症と診断された患者に移植する。
この移植により角膜上皮を再建させ,視力,その他臨床症状(眼痛,異物感,流涙,羞明,乾燥感,不快感など)を改善することを目的としており,これらの改善効果から,患者のQOL向上が期待できるとしている。
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