富士キメラ総研は,主要自動車部品48品目を対象に,その世界市場を調査した(ニュースリリース)。その中で,2025年の車載カメラモジュール市場は,欧米の搭載義務化から急拡大し,2013年比5.1倍となる3,609億円になると予測した。
調査は,車両周辺の外部環境を車内モニタに表示するモニタリング用途と,歩行者や他の車両などを認識しドライバーへの警告や車両の制御につなげるためのセンシング用途のカメラモジュールを対象とした。
従来は,リアビューなどの単純な死角のモニタリング用途が主体であったが,先進安全支援システム(ADAS)の需要拡大などでセンシング用途が急増している。北米では,2013年にKT法(Kids and Transportation Safety Act)によるリアビューの搭載義務化により,モニタリング用途の需要が急増し,市場は拡大した。
KT法は2018年に完全実行が決定しており,すでにカメラメーカ,自動車メーカはリアビュー搭載義務化への対応を進めているが,短期的には2014年以降もモニタリング用途の需要が増加するとみている。
欧州では,車線逸脱警報(LDW),車線維持支援(LKA)などのセンシング用カメラを使うシステムがEuroNCAPの評価基準に採用されることにより,需要の急拡大が予想される。また,サラウンドビュー搭載が日本,欧州のみならず,中国でも高級車種で進んでおり,2014年の市場は1,227億円を見込んでいる。
長期的にはモニタリング用途のカメラがセンシング用途も兼ねることや,モニタリング用途の需要が飽和するが,ADASや自動運転で四方をセンシングする用途の需要が増加するため,2025年には2013年比5.1倍の3,609億円を予測している。
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