ギガフォトン,ArF液浸レーザ向け新機能「eGRYCOS」を発表

ギガフォトンは,同社の主要製品である高出力ArF液浸レーザ「GTシリーズ」向けの新機能「eGRYCOS(e-GIGAPHOTON Recycle Chamber Operation System)を発表した(ニュースリリース)。

「eGRYCOS」は,同社が推進するグリーンイノベーション(環境負荷のコスト削減活動)を実現するためのロードマップであるEcoPhoton™プログラムに従って,レーザ効率の大幅向上と消費電力の15%削減を実現するために開発されたレーザチャンバの新機能。

最先端リソグラフィプロセスにおいて光源として使用されているArF液浸レーザは,それが組み込まれる露光装置であるスキャナの性能を向上させるために,出力の増加が要求されている。現在のレーザの量産機は,出力60Wで稼働しているが,最新のリソグラフィプロセスでは120Wが要求されており,その消費電力も増加の一途を辿ることになる。

同社は,EcoPhoton™プログラムに沿って,高効率のレーザチャンバ設計の開発を進めてきた。通常レーザチャンバは,2つの電極間に流れるエキシマレーザガスの流速が増加すればするほど,放電が安定しレーザ性能の向上につながる。

同社の新設計レーザチャンバでは,ガス流路を流体力学上最適な効果を引き出す形状にすることで,同じ流速でも消費電力を低く抑えることを可能にした。更に,予備電離プロセスを新しくすることで,主放電領域での均一なイオンの分布を可能にし,同社の従来製品と比較して1.2倍の高効率でのレーザ放電を実現している。

これらの結果,「eGRYCOS」は,レーザ性能を犠牲にすること無く同社の従来製品と比較して消費電力15%の削減が可能となった。