2014年の「トムソン・ロイター引用栄誉賞」(ノーベル賞受賞者予測)に理研の十倉好紀氏

トムソン・ロイターは,ノーベル賞の発表に先駆け,恒例の「トムソン・ロイター引用栄誉賞」受賞者を発表した(ニュースリリース)。今年は9か国から,卓越した研究業績を持つ27名が選出された。

日本からは,理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター センター長(併任:東京大学 大学院工学系研究科物理工学専攻 教授)の十倉好紀氏が「新しいマルチフェロイック物質の発見」の功績により,物理分野で再度選出された。

十倉氏は過去にも「超伝導化合物の発見を含む,強相関電子酸化物に関する傑出した研究,および巨大磁気抵抗現象に関する研究」で同賞に選出されている。 2002年の同賞恒例化以来,ひとりの研究者が異なる研究トピックにより2回選出されるのは初めて。

「トムソン・ロイター引用栄誉賞」は,トムソン・ロイターのデータベースを用いた論文・引用分析において,ノーベル賞クラスと目される研究者を毎年9月に発表するもので,今年で13回目を迎えた。ノーベル賞の科学系4賞(医学・生理学,物理学,化学,経済学)と同カテゴリで構成された本賞受賞者のうち,35名が実際にノーベル賞に輝いている。

これまでに「トムソン・ロイター引用栄誉賞」を受賞している光学分野の日本人には,中村修二氏(米カリフォルニア大サンタバーバラ校;青色LED),中沢正隆氏(東北大学;エルビウムファイバ),藤嶋昭氏(東京理科大学;光触媒)などがいる。