金沢工業大学とポジティブドリームパーソンズは,結婚式場のDVDが編集意図どおりに観た人が「感動」しているのかどうかについて,客観的指標により感動度を測定することに成功した(ニュースリリース)。
結婚式の模様を記録したDVDのような,ある意図の下でプロデュースされたものを観た際に,作り手の意図通りに観た人が受け止めているかどうかは,そのプロデュースが成功したかどうかの決め手となりる。しかしながら受け手による言葉による評価では,受け手そのものが意識していない部分も多く,科学的な評価手法が求められていた。
研究グループは,心電計と近赤外光脳機能イメージング装置(NIRS:前頭葉の血流中の酸素化ヘモグロビン量を測定)と視線計測装置(眼球の瞳孔大きさを測定)を使用し,異なった意図のもとで編集された結婚式の2種類のDVDを男女22名のモニターが視聴し,作り手の意図通りに観た人が受け止めているかどうかを調べた。
実験では,2種類の映像のうち,片方の映像は観る人のこころの動きが激しく,また,プロデュースされた意図に見合った生理測定結果も一部得られた。さらに感動は,単に興奮だけではなく,複合要素から構成されていることも明らかになった。
研究グループは今後,人が感動している際の各要素を特定し,これらに対応した生理・脳機能を明らかにすることで,客観的指標による感動度を規定していきたいとしている。
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