島津製作所,最新電子光学系を搭載した電子線マイクロアナライザの新製品を発表


島津製作所は最新型のFE(Field Emission)電子光学系の搭載によって,最高水準となる感度と空間分解能を実現した電子線マイクロアナライザ(EPMA)のハイエンドモデル「EPMA-8050G」を発売した(ニュースリリース)。

EPMAは細く絞られた電子線をサンプルの表面に照射し,サンプルから放出された特性X線の波長と強度を検出することで,電子線が当たった極めて小さな領域に含まれる元素の定性と定量を行うことができる装置。

元素の定性・定量以外にも,サンプル表面のどこにどの元素が含まれているかを解析するマッピングや,含まれている元素の化学結合状態の分析も可能で,SEM(走査型電子顕微鏡)としての機能も併せ持つ。幅広いサンプルを非破壊で分析でき,主として金属や半導体を始めとする様々な材料の研究開発などに用いられている。

今回発売したEPMA-8050Gは52.5度というX線取り出し角度や,高感度4インチX線分光器を最大5台搭載できる。また,一連の分析が容易に行なえる高い操作性をそのままに,従来までのデザインを一新し,電子線を照射する電子銃にはあらゆる電流条件で高い性能を実現するFE電子光学系を初めて採用した。

これにより,直径わずか50nm程度の粒子の観察やさらに高感度・高倍率のイメージングも可能になったことで,ナノレベルでの触媒解析やEPMAによる薬物動態解析など,従来困難だった用途にも対応できるようにした。価格は1億4,320万円~(PCワークステーション込み,税別)。