NEDOは,パワーエレクトニクス分野における日本の技術的優位性の確保と適用拡大を目指し,新たなテーマを開始する(ニュースリリース)。このプロジェクトでは,シリコンカーバイド(SiC)を用いたパワーデバイスを活用した応用システム開発を行なう3テーマの助成事業と,現状のSiCパワーデバイスと同等以上の性能を有する新世代Siパワーデバイスを開発する1件の委託事業に取り組む。
NEDOは2009年度から,低炭素社会を実現する次世代パワーエレクトロニクスプロジェクトにおいて,パワーエレクトロニクス分野の技術開発プロジェクトを推進してきた。引き続き,パワーエレクトロニクス分野で日本が世界を牽引するため,日本の技術的優位性確保を目指した,新世代Siパワーデバイス開発及び新材料パワーデバイス適用拡大のための応用システム開発を実施する。
【助成事業】
テーマ名:世界のパワエレを牽引する次世代パワーモジュール研究開発と日本型エコシステムの構築(助成予定先:富士電機)
顧客カスタム要求を満たしつつ,超短納期で低コストな次世代パワーモジュールの開発と,それを実現するエコシステムを構築し,EV(電気自動車)分野,新エネルギー分野などで世界を牽引する。
テーマ名:SiCパワーデバイスを用いた超高効率車載電動システムの開発(助成予定先:デンソー)
SiCパワーデバイスを用いたインバータを活用した昇圧コンバータ不要PCU(Power Control Unit)の開発を行ない,車載電動システムの革新的な効率向上を実現する。
テーマ名:高出力密度・高耐圧SiCパワーモジュールの開発(助成予定先:三菱電機,三菱マテリアル,電気化学工業,日本ファインセラミックス,DOWAエレクトロニクス)
世界最高レベルの高出力密度・高耐圧SiCパワーモジュールを開発し,鉄道車両の電力変換器の小型,軽量化を実現する。
【委託事業】
<新世代Si-IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)と応用基本技術の研究開発>(委託予定先:東京大学)
材料技術,プロセス技術等を駆使することにより,現状のSiCパワーデバイスと耐圧,電流密度等で同等以上の性能を有するSi-IGBTおよびその周辺技術を開発し,新世代のSi-IGBT技術を確立する。
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