山口大学,MOT総合研究所と三菱化学は,植物工場全般に係る共同研究開発等に関して包括的連携協定を締結したことを発表した(ニュースリリース)。
山口大学は,これまで,植物と光や養液との関係,栽培環境のモニタリング,環境制御による野菜類の機能性向上など,植物工場に関わるさまざまな研究開発を行ない,また,経済産業省および農林水産省の助成事業を活用した新技術の確立・実証を行なうための研究基盤の整備に取り組んできた。
MOT総合研究所は,山口大学発のシンクタンク・コンサルティング会社として,地域経済の発展,地域社会の形成に寄与することを目的とし,環境・エネルギー,食料・バイオ等の分野で事業開発を推進してきた。
三菱化学は,2010年1月から完全人工光型植物工場システムの販売を開始した。湿度,養分などの育成環境を最適な状態に制御することにより,気候に左右されることがなく,年間を通じて同じ品質の野菜を栽培できるとして,国内のみならずロシア,香港など海外にも植物工場システムを納入している。
今般の包括的連携協力により,山口大学の持つ植物工場に関する技術基盤,MOT総合研究所の持つ事業開発のノウハウおよび三菱化学の持つ技術・ビジネスの知見を融合させ,新しい栽培品目,栽培技術,設備技術といった植物工場全般に係る研究開発を実施していく。また,前述の共同研究開発を通じて人材交流や人材育成を図るとしている。
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