スペクトラ・フィジックス,広帯域波長可変フェムト秒レーザを発売

スペクトラ・フィジックスは,さらに出力レベルを強化した広帯域波長可変フェムト秒レーザ「InSight DeepSee+(インサイト ディープシー プラス)」を発表した(ニュースリリース)。

この製品は,全コンピュータ制御にて,より深いイメージングに必要とされる超短パルスを680nmから1300nmまでの広帯域において連続波長可変が可能。1041nmとの2波長同時発振オプションにより,マルチモーダルイメージングも可能になる。神経科学におけるIn vivo深部組織イメージング,細胞バイオロジーなど,生命科学研究用途に適している。

出力は従来モデルよりも大幅に上がり,900nmにて1200mW以上,1000nmにて1000mW以上,1200nmにて700mW以上となり,680~1300nmを連続波長可変できる。実績のある120fsec以下の短パルス幅,赤外波長での高ピークパワーと分散補正機構内蔵により,生きた細胞で1mmを超える深さのイメージングを得ることができる。

また,1041nmの2波長同時発振オプションを付けることで,アンケイジング,2波長同時イメージング,SHG(Second-Harmonic Generation),THG(Third-Harmonic Generation),コヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS: Coherent Anti-Stokes Raman Scattering)及びSRS(Stimulated Raman Scattering)イメージングも可能。

主な特徴は以下の通り。
・ 波長可変領域: 680-1300nm
・ 2波長同時発振 (680-1300+1041nm) によるCARS,SRSイメージング
・ 短パルス幅,高ピークパワー蛍光強度を最大限に
・ DeepSee(群速度分散補正機構)搭載によりサンプル上に短パルスを照射
・ 多光子イメージングに最適化された高ビーム品質
・ 全コンピュータ制御 ターンキーシステム

アプリケーションは以下の通り。
・ 多光子顕微鏡
・ CARS,SHG,THG,SRSを含むマルチモーダルイメージング
・ オプトジェネティクス(光遺伝学)
・ 時間分解フォトルミネッセンス
・ 非線形光学
・ 表面SHG
・ テラヘルツイメージング
・ 半導体計測