東北大学と北海道大学が共同開発した超小型地球観測衛星「雷神2」は,5月24 日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ,その後,順調な試験運用を続けている。
雷神2には,世界初となる400波長で地上5m解像度での撮影が可能な高解像度多波長望遠鏡システム(HPT)や,高高度発光現象であるスプライトの観測装置など,先端的な観測装置が搭載され,それらの運用を可能にする,超小型衛星としては世界最高クラスの高精度姿勢制御を目指している。
特に,波長選択が可能な宇宙用液晶フィルタを用いた撮影が実現すると,大型衛星も含め,人工衛星としては世界最高解像度のスペクトル撮影を達成することになる。
両大はこれまでに,魚眼 CCD カメラ(WFC)を用いた撮影試験,リアクションホイールを用いた衛星姿勢制御試験などを実施し,各機器が正常であることを確認。今回,打ち上げ2週間目となる6月6日夜までに撮影した画像の一部を公開した(プレスリリース)。
今後,高解像度多波長望遠鏡システム(HPT)や,ボロメータアレイ(BOL)の撮影試験等を行ない,本格的な科学観測のための準備を整えていく。