三井化学が開発した有機EL用透明シール材「ストラクトボンド™XMF-T」が,LGエレクトロニクス社の曲面有機ELディスプレイに採用された(プレスリリース)。LG社は既にこの曲面有機ELディスプレイ搭載のスマートフォン「G Flex」を,韓国,アメリカ,日本,欧州など世界市場で展開を開始している。
有機ELディスプレイは,明るく高精細で色彩を豊かに表現できるうえ,ディスプレイの薄膜化,軽量化,さらには省電力の特性を持ち,今後更なる拡大が期待されている。しかし,有機EL素子は,湿気や酸素によって劣化しやすい性質のため,高い封止技術が必要なうえ,ディスプレイの大型化やフレキシブル化に課題があった。
開発したシール材は,高い耐水性とバリア性,透明性を持ち,封止工程の加工性にも優れる,新しい有機EL封止材料。また,従来の封止構造(枠封止方式)を変えることができるため,割れにくく高い強度のフレキシブルディスプレイの実現を可能にした。
このシール材が可能にした有機ELの自由なデザイン性は,今後の登場が期待されている身に着ける電子機器「ウェアラブル機器」や,有機EL照明などへの展開可能性を大きく広げるとしている。