アドバンテスト,テラヘルツ波を用いたバイオ用途向け非破壊・非浸襲細胞解析モジュールを開発

アドバンテストは,テラヘルツ波を用いて分子間相互作用や細胞活性に関する情報をリアルタイムに計測することができる,バイオ用途向けATRモジュールを開発した。

同社ではテラヘルツ分光装置やテラヘルツ・イメージングシステムをラインナップしているが,各種試料に応じて「透過」,「反射」,「ATR」,「透過偏光」といったモジュールを製品化している。今回開発したのはATRモジュールに,細胞培養に適した37℃近傍に保つための温度制御系を搭載したもので,これにより,生きた細胞を解析することが可能になるという。

生きた細胞の解析ニーズはラマン分光や生体顕微鏡などでも高まっており,このバイオ対応ATRモジュールもそのトレンドに対応するもの。実際の販売時期は未定だが,テラヘルツ波を用いた細胞解析データを蓄積し,製品化につなげたい考え。

ATR法は,プリズム面に臨界角度以上でTHz波を入射し,全反射時にプリズム面をしみ出たエバネッセント波と試料とを相互作用させ,その結果減少した減衰反射率を観測する計測法で,吸収が大きな水などの試料の計測が可能となる。テラヘルツ光源にはフェムト秒レーザを採用している。