東工大,ゆっくり食べると食後のエネルギー消費量が増えることを発見

東京工業大学大の研究グループは,急いで食べる時に比べて,ゆっくり食べる方が食後のエネルギー消費量が増加することを明らかにした(プレスリリース)。

300kcalのブロック状の食品をできるだけ急いで食べると,その後,90分間のエネルギー消費量は体重1kg当り平均7calだった一方,食塊がなくなるまでよく噛んで食べた時には180calと有意に高い値だった。また,消化管の血流もゆっくり食べた時の方が有意に高くなったことから,ゆっくり食べると消化・吸収活動が増加することに関連してエネルギー消費量が高くなったものと推察される。

多くの横断研究で,食べる速さが速いと感じている人が太り気味であることが示されており,また,実験研究では早食いが過食につながることが示されていた。ところが,一定量の食事を摂取した場合にも,食べる速さが体型に何らかの影響を与える可能性があるのかについては明らかにはなっていなかった。

この成果は,ゆっくりよく噛んで食べることが良い習慣であることの裏づけとして,また咀嚼を基本にした減量手段の開発に役立つものとして期待される。