日本電信電話(NTT)と三菱重工業(三菱重工)は4月28日,NTTの研究所が持つICT(情報通信技術)分野の研究開発成果を,三菱重工のエネルギー・環境、交通・輸送等の社会インフラ関連製品や国内外の工場・現場などに適用し,新たな価値創造を目指すことを目的に,研究開発連携に関する基本契約について合意した(プレスリリース)。
NTTは,中期経営戦略「新たなステージを目指して」において,ICTを通じてパートナーとのコラボレーションを図ることで,新たな価値を提供することを目指している。現在,研究開発においても,異業種の様々な分野や業界のパートナーとのコラボレーションを通じて,「○○×ICT」といったCo-Innovation(共創・技術革新)の取り組みを推進している。
一方,三菱重工は,本年1月に全社のICT統括組織として「ICTソリューション本部」を設立し,ICTソリューション事業の新規発掘と拡大を目指すと共に,戦略的なアライアンス等を活用して,先端的な通信・情報処理分野などのICTを組み合わせて製品の競争力強化,製品開発のスピードアップを推進している。
今後,両社では,(1)光ファイバ・センサ分野,(2)ビッグデータ分野,(3)AR/メディア処理分野の具体的な検討テーマから共同開発や共同実験などの活動を進めていく。(1)の光ファイバ・センサ分野では,NTTが通信分野で培った光ファイバやレーザ技術及び電波の計測技術,さらに,生体情報計測技術などを活用し,三菱重工の製品の保守運用や製造現場等への適用可能性を検討していく。
今回の研究開発連携によって,三菱重工の多様な社会インフラ関連製品および製造現場にNTTの研究開発成果を活用し,「社会インフラ×ICT」による新たな価値創造をスピーディに実現するとしている。