昭和電工の植物育成用LEDとShigyo法,沖縄の植物工場に採用

昭和電工のLED照明および高速栽培技術「Shigyo法TM」が,沖縄県の大手製パンメーカ ぐしけんが運営する植物工場(プレスリリース)採用された。

昭和電工が山口大学と共同開発した「Shigyo法TM」は,品種や生育時期に合わせた波長と強度の光を照射することで,植物の成長を加速させる植物工場用の高速栽培技術。同社のLED照明は,植物の光合成に最適な深紅色(波長660nm)を世界最高輝度で発光できる独自のLEDと青色LEDを搭載し,出力調整により,それぞれの光の強度を容易に変更できる。Shigyo法TMと組み合わせることで,植物育成に最適な光環境を形成する。

ぐしけんの植物工場における実証実験では,従来の蛍光灯光源に比べ,空調設備を含む電気代が30%以上減少し,さらに収穫量も大幅に増加することが確認された。このため,今回,ぐしけんは蛍光灯からの全面切り替えを決定した。

ぐしけんでは,植物工場で生産したレタスを外部へ販売するほか,サンドイッチなどの惣菜パンに使用している。沖縄県は高温多湿で台風も多いことから,夏場を中心に高原野菜の露地栽培が難しく,同社は完全閉鎖型の植物工場にて,2010年9月から自社栽培を行なっている。同社のレタスは完全閉鎖型植物工場において無農薬で栽培され,品質も安定していることから好評であり,現在では品種を拡大している。

昭和電工の植物育成用LED照明は,現在,北海道から沖縄まで全国14か所の植物工場で採用されている。同社は植物工場システムの設計から栽培指導,メンテナンスまで,植物工場を総合的に提案し,安全安心な食料の安定供給に貢献するとしている。