パナソニックは，除菌作用がある270nm波長域の紫外線を発生させるモジュール「深紫外線LED（UV-LED）モジュール」を2014年6月16日より発売する。オープン価格。

紫外線，特に除菌能力を有する波長270nm付近の深紫外線領域の光源は，これまで冷陰極ランプや水銀ランプが主流だった。 しかし，これらの紫外線光源はサイズが大きく，さらに点灯用インバータが必要なため，広い取り付けスペースが必要だった。 また，ガラス素材のため破損しやすく，水銀含有・オゾン発生や瞬時に点灯できないなどの課題があった。

今回，原料ガスであるアンモニアをパルス供給する新たな結晶成長技術と、MQB（多重量子障壁）構造の高効率電子ブロック層の導入をはじめとした各結晶層の最適設計技術により，結晶の欠陥密度を従来品の1/3程度にまで低減，従来品より高い内部量子効率を得ることに成功した。

これにより270nm付近の深紫外線を10mW以上の出力，10,000時間の寿命で発光させることに成功。また，10分間の照射で99.9%以上除菌にも成功するなど，研究・試験を経て，深紫外線LEDモジュールの製品化に至った。

この製品は光源がLEDのため，薄型（高さ3.25mm）で，また，防滴性能（IPX4相当）も有していることから，小型の家電製品や住宅設備の水廻り機器などにも組み込むことが可能。 さらに，水銀を含まないHgフリーやオゾン発生ゼロなど，環境にも配慮した仕様となっている。

なお，この製品は，理化学研究所の「産業界との融合的連携研究制度」に基づく研究チームが開発したUV-LEDチップを搭載している。

詳しくはパナソニック プレスリリース
または理研プレスリリースへ。

4/11 記事を一部修正しました