奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科准教授のクリスチヤン・サンドア氏は,グーグルグラスを使った研究プロジェクトでグーグル・ファカルティ・アワードを受賞した。これにより62,000ドルの賞金と2台のグーグルグラスが授与される。
この賞はグーグルが世界の研究者を支援するために設けており,半年ごとに公募を行ない,受賞者を選考している。受賞者には,賞金とグーグルの研究者との共同研究の機会が与えられる。今回は,世界46カ国から691件の応募があり,115件(うち米国外は約25%)が受賞。サンドア准教授は,日本の大学から唯一の受賞者となった。
今回の受賞は「グーグルグラスを用いた拡張現実感による透視メガネ」という研究プロジェクトが評価されたもの。具体的には,グーグルグラスを使って,スーパーマンが透視するように,ユーザに障害物の向こうにあるものを見せる技術を開発すること。
これまでサンドア准教授らは,実際の環境内にコンピュータグラフィックス映像を出現させる「拡張現実感技術」を用いてノートパソコン上で動作するシステムを試作してきた。このシステムは,ユーザからは障害物の裏側にあって見られないはずの物体を,別のカメラで撮影した画像をシステムで三次元的に重畳表示することで,認識することができるというもの。
今後,約1年でグーグルグラスを使ったシステムを開発し,それをグーグルで実演する予定。将来的には,グーグルストリートビューやグーグルアースなどの地理情報システムと連動し,この技術が世界中のどこにいてもグーグルグラス上で使えるようにしていく計画を立てている。
詳しくは奈良先端大 プレスリリースへ。