矢野経済研究所,2020年度のM2M世界市場規模は累計金額ベースで3兆8,100億円を予測

矢野経済研究所では,国内外のIT事業者(SIer),通信事業者(キャリア),MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)やMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:MVNO事業者を支援する事業者),デバイスメーカ,ユーザ企業等を対象に,M2M世界市場の調査を実施した。

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その結果,M2M世界市場規模は2010年以降に大きく伸長し,2013年度は1兆4,580億円(累計金額ベース)の見込みとしている。尚,2013年度の国内M2M市場は1,350億円(同)の見込みで,M2M世界市場における日本市場の構成比は9.3%。

M2M世界市場の伸長率は徐々に下降するものの,2015年度頃からM2M需要は先進国から新興国にシフトして拡大基調は継続する。M2Mプラットフォーム型サービスの拡大,機器・デバイスの低価格化,ワイヤレス環境及びグローバル化の進展などを背景に,M2M世界市場の2020年度の市場規模は3兆8,100億円に達すると予測。一方,2020年度の国内M2M市場規模は2,500億円(いずれも累計金額ベース)になると予測した。

M2Mビジネスでは医療・ヘルスケア分野や電力・ガス・水道等のエネルギー監視・エネルギー管理,農業・施設園芸,植物工場や畜産業での営農支援,河川・火山情報収集等の環境モニタリング・自然監視,各種産業分野(建設機械・重機,自動販売機,エレベータ,産業計測・工場など)等の遠隔監視・制御,建物・大規模構造物等社会インフラのヘルスモニタリング,見守り・防犯支援,自動車(乗用車・商用車)などの車両や交通インフラ等の位置情報・運行管理,マーケティング支援やペット飼育関連,金融関連,料飲店関連・小売業向けサービスなど,注目されるアプリケーション分野が非常に多岐に及ぶ。

また中・長期的には,世界的に拡大が見込まれるスマートシティやスマートコミュニティにおける中核機能・中核技術として期待されるとしている。

近年,M2Mビジネスでは,グローバルM2Mサービスへの事業展開が顕在化している。この場合,M2Mプラットフォーム型サービスでの展開が一般的で,低価格で且つ利便性の高いサービスを実現している。また,通信事業者(キャリア)とM2Mプラットフォーム型サービス事業者が提携して,グローバルにM2Mサービスを提供する事例も増えている。このように,M2Mビジネスのグローバル化は,M2Mプラットフォーム型サービスの拡大によって本格化してきた。

また,現在のM2Mビジネスにおいては,未だ市場を主導する事業者や業態が完全には明確化していない。今後,有力視されるのは米国では通信事業者やM2Mプラットフォーム型サービス事業者,欧州では大手通信事業者であり,また日本では大手通信事業者とM2Mプラットフォーム基盤を持つIT事業者(SIer)の連携が想定される。

こうした中で今後のM2Mビジネスでは,グローバルにM2M対応が可能なビジネス基盤と事業規模を持った上位事業者への集約が徐々に進むと同社はみている。

詳しくは矢野経済研究所市場調査結果サマリーへ。