2013年度の光産業国内生産額・全出荷額はプラス成長の見込み

2013年度分野別国内生産額見込み

■情報通信分野,8.0%の5,084億円
通信トラフィック増大に対応して基幹系ネットワークの大容量化が進められ,日本でも100Gb/s伝送容量を持つ送受信機を搭載した機器の導入が始まり,幹線系が44.6%,光増幅器も7.1%と増加が見込まれている。しかし,加入者系は無線アクセスの移行に伴うFTTHの伸びが鈍化すると見られ,-2.0%と2年連続の減少が見込まれている。ただ,全体では8.0%と増加の見込み。光伝送リンクは100Gb/s向けが347.5%と大幅に増加。全体でも31.1%の増加が見込まれている。光ファイバケーブルは海外生産シフトが継続しているものの,幹線系への投資が増加し,2.5%と増加を見込む。

■情報記録分野,-1.1%の2,352億円
光ディスク装置は,再生専用装置が車載DVDやサーバ用DVDの生産を中心に横ばいが見込まれている。また記録・再生装置は円安によって一部の製品が国内生産に戻ってきたことで7.4%の増加が見込まれており,全体で1.4%の増加を見込む。光ディスク媒体はCDと追記型・書換型DVDがそれぞれ-17.0%,-16.5%の減少が見込まれているが,追記型・書換型BDは業務用アーカイブ用途の国内生産の伸長により,0.7%と2年続けての増加が見込まれている。

■入出力分野,18.5%の1兆1,943億円
光学式プリンタと光学式MFPは国内生産が高機能製品のみとなっており,それぞれ-6.0%,-5.1%と減少になる見込み。デジタルカメラについては,前年度の増産の反動により-18.5%,コンパクトタイプも生産が伸びず,-26.2%とそれぞれ減少になる見込みで,全体でも-21.3%の減少が見込まれている。デジタルカメラとカメラ付き携帯電話もそれぞれ-2.9%,-36.8%と減少が見込まれている。

■ディスプレイ・固体照明分野,8.8%の2兆6,940億円
FPD装置は小幅ながらも-4.1%の減少となり,プロジェクション装置は0.1%とほぼ横ばいが見込まれている。全体では-2.8%の減少を見込む。ディスプレイパネルについては中小型パネル市場が拡大し,さらに高精細パネルが立ち上がってくるとの予測から8%の増加が見込まれている。固体照明器具・装置は,LED照明器具・装置が24.7%,LEDランプが19.1%とそれぞれ増加が見込まれている。発光ダイオードについては8.0%の増加が見込まれている。

■太陽光発電分野,74.6%の3兆2,878億円
引き続き好調な国内市場とあって,大幅な増加が見込まれている太陽光発電システムは113.3%の大幅な増加が見込まれているが,太陽電池セル・モジュールは価格下落に伴う海外生産シフトが進み,-0.5%と減少になる見込み。

■レーザ加工分野,25%の4,321億円
炭酸ガスレーザは自動車分野への切断用途が伸びたことと,プリント基板穴あけ加工機の設備投資が進んだことから23.8%の増加が見込まれている。固体レーザはスマートフォン向けガラス切断用途が好調に推移しているものの,液晶パネル製造設備の停滞の影響があり,ほぼ横ばいで推移すると見られている。エキシマレーザは半導体製造分野の設備投資が再開されたことで26.5%の増加を見込む。ファイバレーザと半導体レーザは継続して需要が伸長しており,23.8%の増加が見込まれている。

■センシング・計測分野,1.4%の1,618億円
光センシング機器は,セキュリティ機器の生産量が回復したこと,また自動車関連向けが好調に推移したことにより,全体で1.3%の増加が見込まれている。光測定器は基幹系ネットワーク通信の伸長により,通信向け光測定器が回復,計測機器全体では3.4%の増加が見込まれている。