NEDO,海水淡水化と下水処理を統合した新規水処理システムを開発

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と海外水循環ソリューション技術研究組合(GWSTA)は,海水淡水化プロセスと下水再利用プロセスを組み合わせた新たな海水淡水化・下水再利用統合システムを開発,従来の海水淡水化システムに比べ30%以上の省エネルギー,低コスト化を達成した。

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このシステムでは,海水淡水化のプロセスにおいて,通常「高圧」のRO膜で処理するところ,海水と下水の処理で残った低濃度の濃縮水を混ぜ,海水濃度を下げている。そのため「中圧」のRO膜での処理が可能となり,ポンプ等に必要な電力を抑えることで30%以上の省エネルギー化を図っている。

さらに,下水処理プロセスからの低濃度の濃縮水を利用しているので,塩分濃度の高い濃縮水を発生させないだけでなく,海水の取水量を減らしつつ放流水の塩分濃度を抑えることができ,環境への負荷を小さくすることができる。取水設備やUF膜設備の容量を減らすことができるので,30%以上の低コスト化を図ることができる。

このシステムは,海水淡水化プロセスに下水処理プロセスの一部を利用することにより,環境負荷を低減することができ,水資源が不足している地域において最適な水処理パッケージとしての活用が期待される。

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