農研機構,農業機械の通信制御方式の共通化を支援する技術を開発

農研機構は,国内の農業機械メーカ,業界団体,公的試験機関と連携し,農業機械に用いられる通信制御方式の共通化を実現する電子機器類を開発するとともに,日本農業機械工業会規格の制定を先導,支援した。

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従来,農業機械のトラクタと作業機は,メーカ間で通信制御方式が異なるため,同一メーカで一式を揃える必要があった。農研機構では,この問題を解決するため,通信制御方式を共通化した機器(ハードウエア)と,それを用いた各種ECU(電子制御ユニット)および共通リモートコントローラを開発した。これらによって,トラクタと多種多様な作業機は簡単に接続できるため,ユーザのニーズに合わせた機械の組み合わせが可能となる。

農業機械における通信制御方式の共通化技術の開発は,欧米が先行して取組を進めており,国際標準規格(ISO 11783)が制定されている。しかし,この規格は通信仕様が複雑であり,また,国際標準規格の機器は非常に高価で,国産の小型の農業機械にも適合しないという問題があった。

そこで農研機構は,接続コネクタや配線に関する新たな国内規格として,日本農業機械工業会規格に働きかけ,「JAMMAS 0021-2012」の制定を支援した。この規格は,国際標準規格に則った情報通信を行ないつつ,よりシンプルかつ低コストの接続を可能にするもの。

すでにこの規格に対応する国内メーカ製の農業機械の一部市販化が始まっており,今後の対応機種拡大と普及が期待される。また,これらの取組は国外においても注目と高い評価を受けており,国内標準と国際標準の連携に向けた取組も始まっている。

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