東大、電波を見える化するARアプリを開発

東京大学先端科学技術研究センター特任教授の長谷良裕氏らは、無線局間の干渉計算用に、非常に高速で計算できる電波強度シミュレータを組み込んだ無線局情報データベースを開発・構築している。今回、そのデータベースにインターネット経由でアクセスし、電波の強度および到来方向をAR(拡張現実)機能によって視覚的にわかりやすく表示するモバイル端末用アプリケーションを開発した。

140224ut2

放送や無線通信に使われる電波は目に見えないため、場所ごとに異なる電波の強度や到来方向を知るには専用の高価な測定器と大きな指向性アンテナを使って実測するしか方法がなかった。

モバイル端末でリアルタイムに電波の強度を表示できる「電波の見える化」ツールが作製できれば、この問題は解消され、誰でも測定器なしに、たとえば、携帯電話がつながらない場所を調べたり、旅先や外出先でどの放送局が受信できるかを調べたり、TVアンテナの最適な向きを調べることが簡単にできるようになり、モバイル端末の利便性がいっそう高まると期待される。しかし、このようなアプリケーションを実現させるためには、種々の課題があり実現には至っていなかった。

この研究で開発したアプリケーションや技術により、一般のスマートフォンやタブレット等のモバイル端末が電波のヴァーチャル測定器となり、どの携帯基地局とつながるか、どの放送局が受信できるか等がわかる「電波の見える化」ツールとしての実用化が期待される。

詳しくはこちら