ソニー,レーザ走査方式のピコプロジェクタモジュールを開発

ソニーは,レーザ走査方式を採用した独自開発の映像処理システムにより,高精細なHD解像度で,投影面との距離や角度に関わらず焦点が合う「フォーカスフリー」の映像投影を可能にした,ピコプロジェクタモジュールを開発した。

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このモジュールは,Wi-Fi部品やバッテリーなどと組み合わせることで,スマートフォンやタブレットなどの映像を平面や曲面にフォーカスフリーで投影することができる,ポケットサイズの小型プロジェクタの実現を可能とする。

開発したモジュールは,主に,半導体レーザ,MicroVision社製MEMSミラー,それぞれのドライバ,およびビデオ信号処理や映像出力を制御するビデオプロセッサから構成されている。

半導体レーザ光線をMEMSミラーで反射,制御することで走査し,映像を投影する,レーザ走査方式を採用。半導体レーザとMEMSミラーを高度に制御するビデオプロセッサを開発したことで,現在,バッテリー駆動のピコプロジェクタで主流のVGAやWVGAを上回る,高精細なHD解像度を実現した。

さらに,レーザ光線は,集光性が高く直進性に優れていることから,投影面との距離や角度に関わらず焦点が合うフォーカスフリーの映像投影が可能。このモジュールは,投影距離1メートルの場合は約40インチ,3メートルでは約120インチの大画面映像を投影する。

また,独自技術により,レーザ走査方式の課題であるレーザースペックルノイズ(映像の斑点状のノイズ)の低減を実現した。さらに,従来のパネル方式と比べて,より広色域,高コントラストな映像の投影を可能にした。加えて,独自に開発した斜め画像歪補正回路の搭載により,投影面に対して斜めから投影すると台形などに歪む映像を,本来の長方形画面に補正することもできる。

同社は,このモジュールのさらなる小型化や高輝度化などの開発を進め,ピコプロジェクタやプロジェクタ機能を搭載した機器向けに商品化を目指す。

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