スペクトラ・フィジックスは,2014年2月4~6日に米国サンフランシスコで開催されたPhotonics West 2014で、超小型フェムト秒レーザを含む新製品を発表した。
■超小型フェムト秒レーザ「HighQ-2 TM」
設置面積が222×204×101mmという超コンパクト設計で,IRとグリーンの波長をラインナップ。24/7の使用環境にも耐える信頼性を持つ。完全ターンキーオペレーションでコールドスタートからでも装置の立ち上がりが早く,簡単に設置・作動させることが可能。また,長寿命LDと密閉されたキャビティーデザインを備え,製造は管理されたクリーンルームで行なわれているため,長寿命で高いアップタイムを保証し,コストオブオーナーシップが軽減できる。
190kW以上という高ピークパワーで,高度にフォーカス可能なビームプロファイルを持っているため,極めて高精度にコントロールされたビームや,超短パルスを要求される多光子イメージング,マイクロ・ナノ構造形成,マイクロ・ナノ手術,顕微細胞分離などのアプリケーションに適している。
■超短パルスアンプシステム「Spitfire Ace PA/Spitfire Ace」「Spirit-NOPA」
Spitfire AceTM PA(Power Amplifier)は14W以上の高出力,12mJ以上の高エネル ギーを40fsec以下で,Spitfire Aceは出力7W以上,6mJ以上,35fsec以下のパルス幅を再生増幅アンプ部のみで出力する。また,Spirit-NOPAは波長可変可能な高繰返しパルスをわずかsub-20fsecのパルス幅にて出力。いずれも超短パルス分光や先端科学用途に新たな可能性を広げるものとなっている。
Spitfire Ace PAは14W以上を5kHzの繰返しで,12W以上を1kHz及び10kHzで出力。Spitfire Aceは7W以上を5kHzで,6W以上を1kHz及び10kHzにて出力する。同社の特許であるXPキャビティーデザインの採用により高出力でかつ卓越した モード品質を備えており,多色時間分解分光やコヒレントコントロール,非線形分光といった幅広い理科学研究用途において理想的な再生増幅システムとなっている。
Spirit-NOPA non-collinear OPAは,同社既存光源であるSpiritを励起源としてパルス幅sub-20fsec,250~900nmの広範囲にわたる波長可変を実現可能にし,幅広い用途に適応する超短パルスレーザーシステム。ユーザー側で繰返しをシングルショットから1MHzまで設定することができる。高速データ集積による平均化やSN比向上により,難易度の高い超短パルス分光計測を可能にする。
■ハイブリッドUVファイバレーザ「Quasar355-60」
パルスパラメータをプログラミング可能なTimeShift機能を搭載し,昨年5月にリリースした「Quasar 355-45」と比べ,出力とパルスエネルギーにおいて33%アップ(60W),最大繰返し周波数において3.5倍(0~3.5MHz),最小パルス幅において1/2.5(<2nsec~>100nsec)と進化。生産性と精密度の両面で大きな改善を可能にする。
また,独自の先端的ファイバレーザ技術,出力増幅技術,波長変換技術を結集し設計されもので,長寿命コンポーネンツと最先端のUVレーザ製造プロセスを駆使し,厳しい使用環境での品質テストをクリアした高い信頼性を持つ。主なアプリケーションはガラス切断,穴あけ,PCB穴あけ,切断,ディパネリング,Si微細加工・ウェハダイシング,Low K誘電体グルービング,セラミック・LED加工,ITOパターニングなど。
■LD励起QスイッチUV/グリーンレーザ「Talon」
12W以上及び6W以上のUVと、20W以上のグリーンバージョンをラインナップ。12W以上のUV出力,240μJのパルスエネルギー,0~500kHzに及ぶ広域繰返し,卓越したビームプロファイルと安定性を,かつてない低コストで実現。PCB切断や穴あけ,セミコンダクター,LED及びセラミックスクライビング,ITOや太陽電池セルの薄膜パターニング,ガラス切断・穴あけといった用途に適している。
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