矢野経済研究所は,国内の完全人工光型,太陽光・人工光併用型(併用型),太陽光利用型植物工場運営事業市場について調査を実施した。
それによると,完全人工光型の2013年国内植物工場運営事業市場規模は33億9,600万円を見込む。同市場においては2009年時の約2.5倍にあたる企業・工場が作物の生産・販売事業を行なっている。生産品目はリーフレタス類が中心であるが,生鮮機能性野菜や健康食品等の原料生産,イチゴや結球レタスの実用化など,生産作物の多様化の傾向も見え始めている。また,LED照明の採用も進展してきている。
また太陽光・人工光併用型及び太陽光利用型の2013年国内植物工場運営事業市場規模は199億1,900万円を見込む。併用型では主にリーフレタスを始めとした葉菜類など,一方の太陽光利用型は主としてトマト,パプリカ,イチゴなど果菜類,またホウレンソウ,レタス類などの葉菜類が生産されている。
国内の完全人工光型運営事業市場は,2015年~2016年のLED植物工場の本格普及により飛躍期をむかえ,2015年に131億9,000万円まで拡大する。同時期には,低コスト化や生産作物の多品種化,省エネ・創エネ施設の併設,海外展開などが進展する。
その後,低カリウム野菜・果物のラインナップ拡充など機能性野菜市場が発展し,2018年には200億8,200万円を予側,さらに2020年から2025年にかけて生薬,医薬品原料など超高付加価値製品市場の発展期に入り,2025年には443億3,800万円まで拡大すると予測。実際には,製品単価の高い作物や機能性野菜のラインナップ拡充,さらに機能性原料市場の発展や輸出産業化の実現なども想定される。
国内の併用型及び太陽光利用型植物工場は,国による次世代施設園芸事業の推進政策を受け,民間企業からの積極的な参入が見込まれる。それに伴い,1施設あたり少なくとも1~2ha以上の工場建設が相次ぐ。今後,太陽光利用型市場は大規模工場建設の増加,また併用型市場については,太陽光利用型工場への人工光導入による補光などに伴い発展していくと考える。併用型及び太陽光利用型植物工場の国内運営事業市場規模は2015年270億5,200万円,2020年814億1,400万円,2025年1,056億9,000万円の拡大基調を予測する。
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3月19日タイトルの数値を修正しました