金陽社,レーザで加工可能なフレキソ版材ゴムシートを開発

金陽社は,レーザで彫刻加工が可能なフレキソ版材ゴムシートを開発。「nano tech2014」で参考出展した。

金陽社

同社は凸版印刷用ゴムシートの製販を出がけているが,開発中のフレキソ版材ゴムシートは,既存の感光性樹脂版に比べて版材完成までの工程を削減できるもので,特殊表面ゴム配合を採用しており,彫刻性に優れることから,印刷品質の向上が期待できるとしている。

従来の感光性樹脂による版製作工程は,①マスク層のUVレーザ描画→②露光→③洗浄→④乾燥→⑤後露光というプロセスで,光硬化で作製する。

今回同社が開発したフレキソ版材ゴムシートによる工程は,①表面ゴムのレーザ彫刻→②洗浄→③乾燥というプロセスとなっており,感光性樹脂のプロセスに比べて工程数が少ないほか,化学薬品を使用した洗浄が不要なため,環境負荷低減にもつながるメリットがある。

出展したゴムシート(写真)はCO2レーザで彫刻したもので,ドットサイズや形状によらず,彫刻再現性が高いという。実用化に向けては,表面ゴムや粘着層の改良に加え,クッション層の強度を高める必要があるとし,さらなる開発を進めるとしている。