島津製作所,走査型プローブ顕微鏡のフラッグシップモデルを発売

島津製作所は,走査型プローブ顕微鏡(SPM)のフラッグシップモデルとして,HR-SPM(High Resolution Scanning Probe Microscope)カテゴリに位置づけられる,周波数変調方式(FM方式)を採用した「高分解能走査型プローブ顕微鏡SPM-8000FM」を発売した。価格は5,000万円。

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これは,薄膜,結晶,半導体,有機材料等の試料に対し,大気中・液中においても真空中と同様の超高分解能での表面観察を可能にする初の製品。さらに,固体と液体の界面(固液界面)における水和・溶媒和の観察が初めて可能になり,固液界面の構造計測装置としても応用できる。リチウムイオン電池の電解液と電極の界面で起こる構造変化や,脂質など生体分子の液中での構造観察が可能になるなど,多くのナノテクノロジー分野の新たな展開につながるものと期待される。

カンチレバー振動を検出する光集光系の効率化や,レーザ光の非干渉化などの技術開発を行ない,カンチレバーの変位を検出する光てこ検出系のノイズを従来比1/20に大幅低減。これにより,従来のSPM では困難であった大気中・液中での超高分解能観察を実現した。溶液中で特定の反応を示す有機分子の機能性評価や反応評価を行なうことができるため,有機デバイスの開発にも有用。超高真空という限界を初めて突破したHR-SPMとなる。

さらに,表面観察だけでなく固液界面の局所三次元構造の計測も実現。これまでできなかった局所的な水和・溶媒和構造を計測することが可能となった。固液界面の構造計測装置としても応用が拡がる。

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