2014年のトレンドキーワードの一つになりそうな「ウェアラブル端末」。
MM総研が,このウェアラブル端末について,消費者調査や企業へのインタビューをもとに,日本および米国の市場展望をまとめた。
消費者調査の結果,米国は日本よりもウェアラブル端末および各製品の知名度が高かったという。さらに,ウェアラブル端末で重要とされるデザイン性について,日本では周囲に溶け込む自然なもの,米国では周囲にアピールできる個性的なものが好まれているようだ。
今回の調査はグーグルが開発しているメガネ型端末「Google Glass」など,米国発の動きが活発化する中で,日米の消費者のニーズを比較するために実施したものだという。ウェアラブル端末の購入対象者として想定される日米のスマートフォン所有者を対象に,メガネ型端末や腕時計型端末の現状の機能などを説明したうえで,ウェブアンケートを実施(知名度に関しては説明前に実施)し,日本1,000人,米国500人から回答を得た。
調査に当たってはウェアラブル端末の知名度について,「よく知っている」「知っている」「名前は聞いたことがある」「知らない・分からない」の4段階で尋ね,「よく知っている」「知っている」「名前は聞いたことがある」の合計数値を「知名度」として算出したところ,日本は27.9%,米国は83.4%となり,米国が日本を大きく上回ったという。
個別の製品では,グーグルが開発中のメガネ型端末「Google Glass」の知名度が日本で49.2%,米国で77.0%という結果だった。一方,ソニーモバイルコミュニケーションズが既に発売している腕時計型端末「SmartWatch」の知名度については日本37.1%,米国70.2%で,個別製品でも米国が高いようだ。
また,ウェアラブル端末の開発,製品化で期待する企業に関しては,「本命」とされるメガネ型端末について,日本ではグーグル(30.5%),アップル(29.2%),ソニー(26.6%)に対し,米国ではグーグル(59.6%),サムスン(40.0%),アップル(35.4%)の順だったという。日米ともにグーグル,アップルが上位に立っているが,日本ではソニー,米国ではサムスンに対する期待が高いことが明らかになった。
既に各社から端末が発売されている腕時計型については,日本ではソニー(34.7%),アップル(27.7%),カシオ(19.8%),米国ではサムスン(46.4%),アップル(39.2%),ソニー(37.4%)の順だったという(グーグルについては,現段階の動向を踏まえ,発表済みのメガネ型のみ選択肢に加えた)。
さらに,メガネ型端末で利用してみたい機能について,現段階で想定されるものを提示して複数回答で尋ねた結果,「地図を表示してルート検索をしたり,道案内をしたりする」が日本47.2%,米国55.2%で,ともにトップだったという。このほか,日本では「駅の中で乗り換えの時間だけでなく,場所の案内もしてくれる」(38.9%),「視線の先にあるものの名称や関連情報が表示される」(30.5%),米国では「目の前にある風景を撮影して,SNS で共有する」(52.0%),「自分の求めている商品がある場所まで案内してくれる」(50.2%)が上位となり,日本は利便性に関する項目が上位に来る一方,米国はコミュニケーションに関する項目が比較的高いことが分かった。
気になるのは,その市場規模(販売台数)。MM総研によれば,現段階では身体データを収集して健康状態を確認できるリストバンド型の端末や,頭部に装着して周辺を撮影できるウェアラブルカメラと呼ばれる製品が中心だが,2014年度以降はアップルが開発中とされている腕時計型端末や,グーグルも「Google Glass」を発売することが想定され,16 年度にかけて市場が飛躍的に拡大する可能性が高いとしている。日本の市場規模は2014 年度に111 万台,2020 年度に604 万台に拡大すると予想している。
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