2020年度の国内介護ロボット市場,349億8,000万円に

矢野経済研究所では,国内の介護ロボット市場の調査を実施した。この調査における介護ロボットとは,非産業用のロボット(サービスロボット)の中で,介護福祉機器ロボットとして主に高齢者の介護目的(排泄支援,食事支援,移乗支援,歩行支援,見守り支援など)に使用されるものを指す。

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それによると,国内の介護ロボット市場規模(メーカ出荷金額ベース)は,2011年度が1億2,400万円,2012年度は前年度比137.1%の1億7,000万円となった。2012年度は数量の拡大に同調して,金額ベースも高い伸びとなるが,絶対額はまだ大きくはない。目的別にみると排泄支援と歩行支援が主となるが,介護ロボットとしてはまだ介護現場にほとんど普及していない。

2013年度には,経済産業省の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」の採択事業者が決定され,介護目的のロボット開発と普及事業が開始された。介護ロボットとして効果が明確で,安価で使いやすさを求め,開発だけでなく普及させるための支援に重きを置いている点が特徴で,2015年度までに最終製品化を目指すことになる。

2015年度には介護保険制度の見直しも予定され,介護ロボットの介護保険適用製品が増加すれば市場拡大の追い風となる。国による普及のための方策も期待されており,国内の介護ロボット市場規模(メーカ出荷金額ベース)は,2015年度に23億円,2020年度には349億8,000万円に拡大と予測。

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