中国プラスチックフィルム・シート市場,2015年は861万トン(2012年比18.3%増)に

富士キメラ総研は,2013年6月から10月にかけ,同社中国現地法人と連携して,中国におけるプラスチックフィルム・シート市場の調査を行ない,その結果を報告書「2013年中国プラスチックフィルム・シート市場の展望」にまとめた。

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それによると,中国プラスチックフィルム・シートの2012年の市場は,前年比6.1%増の728万トンとなった。経済状況などにより変動する可能性があるものの,2015年の市場は,2012年比18.3%増の861万トンが予測される。

原反フィルム・シートは,前年比6.1%増の623万トンとなった。2015年の市場は2012年比17.5%増の732万トンが予測されており,農業用PEフィルムが全体の36%を占めている。次いでPETフィルムやA-PETシートの構成比が高い。PET系フィルムは,包装材料用途,工業材料用途で一定の需要がある。他には,食品,洗浄用品,薬品などの包装で使われるL-LDPEフィルム(シーラント用),導光板や拡散板などの光学用途で需要が多いPMMAシートの構成比が高い。PCシートは,建材用途やLED用途で市場拡大が期待されている。

機能フィルムは,LiBセパレータやITOスパッタリングフィルムなどの電子材料関連の市場拡大も加わり,2015年の市場は130万トンが予測される。日本からは中国に対して10万トン以上のプラスチックフィルム・シートの輸出を行なっており,特にPETフィルムなどの輸出量が多い。また,PETフィルム,容器用シート,ONYフィルム,電子材料用フィルムは現地生産化も進められている。

PETフィルムは,包装用途として印刷複合包装やアルミ蒸着真空パック,絶縁フィルムやテープなどの電気・電子部材用途,太陽電池用途など幅広く採用されている。今後は,LCDの拡散フィルムや反射シートなどの光学用途も期待され,2015年には130万トンが予測される。ただし,需要は増えているものの,PETフィルムの生産能力は設備過剰の状況が続いており,価格競争の激化のため参入事業者が赤字経営に陥っているケースもみられる。

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