理研、クラウドを利用した画像データの新基盤システム「ICP」を開発

理化学研究所は、タブレットパソコンなど安価で一般的な端末で、計算負荷が高い3次元画像処理や大規模データの共有管理ができるクラウドを利用した画像基盤システム「ICP(Image Communication Platform)」を開発、試験運用を2014年1月末から開始する

131206riken2

自然科学分野や、ものづくりなどの工学分野では、観察や計測の実験結果は、画像データで取得することが一般的。得られた画像データを3次元画像処理などで解析したり、共有情報として管理したりすることは、プロジェクトや共同研究を成功させる上で重要だが、画像データを共有して解析、管理するには、研究室ごとに高性能なコンピュータや高価なソフトウェアを用意する必要があり、複雑な運用とコスト増を招いていた。また、画像処理が研究の対象ではない研究室にとって、高度なツール類を揃え、使い方を習得するのは大変だった。

一方、これまで理研では、画像データの可視化、注目領域の抽出、力学シミュレーションモデルへの変換などが可能な独自の画像処理システム「VCAT(Volume-Computer Aided Testing)」を開発してきた。今回、このシステムをクラウドと呼ばれるネットワークを介した仕組みに拡張し、他のソフトやハードも含めて画像データの解析、共有管理をできるようにした新しい画像基盤システムICPを開発、試験運用を開始することとした。

ICPは高度画像処理を簡便に実現する基盤システムとして、画像データに基づくさまざまな研究プロジェクトの効率化・高度化に貢献することが期待できる。

詳しくはこちら