富士フイルムは,シミの原因となるメラニン色素を含むメラノソームと呼ばれる袋状の細胞内小器官が,表皮細胞(ケラチノサイト)内の消化器官「ライソソーム」により分解される経時変化を可視化して確認した。
これにより,ケラチノサイト内でのメラノソーム崩壊に,メラノソーム構造タンパク「gp100」の減少が関係することも実証した。さらに,メラニン色素がケラチノサイト内で分解される現象を実証。分解を促進する成分の研究の中で,美白有用成分「AMA」にメラニン色素分解促進効果があることを確認した。
AMAは,せり科のハーブ植物「センテラアジアチカ」に含まれ,高い抗炎症作用を持つ3つの成分「アジア酸」,「マデカッソ酸」,「アジアチコシド」を含む美白有用成分。同社は,独自の「ナノユニット技術」により,このAMAを世界最小クラス20㎚サイズまでナノ化した独自成分「ナノAMA」を開発している。
これまでシミや美白の研究において,「メラニン色素生成を促す因子」や「ケラチノサイトへのメラニン色素輸送を促す因子」に関する報告は多くあるが,ケラチノサイト内のメラニン色素の蓄積や,メラニン色素の分解についての報告は多くなかった。また,メラニン色素の分解については,細胞内の消化器官である「ライソソーム」の関与が示唆されてきたが,その詳細は分かっていなかった。
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