産総研、約2400 ℃まで熱膨張を正確に計測できる装置を開発

産業技術総合研究所計測フロンティア研究部門構造物画像診断グループ研究グループ長の津田 浩氏らは、2400 ℃までの超高温域で人造グラファイトなど工業用カーボン材料の熱膨張を計測できる装置を開発した。

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接触法による線熱膨張率の測定において参照物質として従来用いられてきた高純度アルミナ焼結体は、2000 ℃を超える高温では使用できず、より耐熱温度の高いグラファイトを使用するしかない。他方、LMGをはじめとするレーザ光走査型寸法測定器を用いた非接触法の熱膨張率の測定は、超高温では電気炉からの放射光が強烈で受光部に散乱光が入り込むため、これまでは1800 ℃程度までの温度が上限であった。

この装置では熱膨張による試験片の寸法変化を、高密度等方性グラファイトを参照物質とした接触法とレーザーマイクロゲージ(LMG)を利用した非接触法の二つの方法で同時に計測し、互いに補完させることで、2400 ℃の高温領域での線熱膨張率および熱膨張係数を正確に計測できる。

人造グラファイトを発熱体などに利用する製鋼や精錬、半導体製造などの技術の高度化への貢献が期待される成果。

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