浜松ホトニクスは,照射幅をA3サイズ処理が可能な現行品の2倍の300mmにした,低エネルギーのライン照射型電子線照射源「EBエンジン」を,医薬品容器や包装フィルムの滅菌,樹脂表面改質(架橋等),印刷のインキ硬化などの生産ライン向けに,12月2日より受注を開始する。価格は2,520万円。また,照射実験用装置を同社デモルームに用意し,同日より顧客からの試料持ち込み評価も開始する。
EBエンジンは,真空チャンバー内でフィラメントから生じた熱電子を高電圧で加速してエネルギーを高め,出射窓から電子線を大気中に照射するもの。加速電圧70kV以下の低エネルギーの電子線照射源は,同社独自の技術で,2008年に技術発表した同社製照射幅150mmのEBエンジン以来,競合製品がない。
この製品は,窓材に特殊金属箔を採用することで,現行品の2倍の照射幅300mmで試料に照射し,管電流8mAの線量により,生産ラインでの採用を可能とした。また,低加速電圧(50~70kV)のため,大気中に取り出される電子のエネルギーは,数10キロエレクトロンボルト(以下keV)と極めて低く,試料の深部まで電子線が浸透することなく表層で止まり,表面のみを改質させることが可能。さらに,小型,軽量で低消費電力,高い耐久性を達成している。
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