浜松ホトニクス,計測感度を従来製品比1,000倍にした蛍光イムノアッセイリーダを開発

浜松ホトニクスは,臨床検査の超早期診断や多くの医療資源の中から個々人に対応した治療法を提供する個別化医療の実現に向け,試薬およびPOCT機器の開発に有用な,高感度な蛍光イムノアッセイリーダを新たに開発した。国内の試薬や医療機器メーカの研究開発機関などに来年春から納入を開始する。

1

開発品は,蛍光法と独自の光検出技術を融合させて,蛍光強度の計測感度を同社製イムノクロマトリーダの約1,000倍を実現。1.5μl の検体中の被検物質であるC反応性蛋白(CRP)を 0.2 μg/dl の微量濃度の計測に成功した。

開発品の高感度化は,これまでの開発で培った解析技術と,検出器や光学系の最適化により実現している。開発品は,一般的なメンブレン(膜)キットやマイクロチップなどの測定に対応しており,今後期待される高機能デバイスと組み合わせることも可能。また,本開発品をもとにした納入先専用の機器・ユニットのOEM供給にも対応していく。

この開発品を用いることにより,研究者自身がデータ解析することが可能なため,イムノアッセイ研究分野で新しい試薬開発が期待されるほか,患者の近くで行うPOCT用の診断装置の開発に応用することで,心疾患や感染症,血栓症などの迅速性,緊急性を要求される医療現場での定量診断に有用となる。

近い将来,高齢化に伴い増加が予測されるアルツハイマーなどの脳疾患,循環器系疾患,がん,アレルギーなど,さまざまな疾病に対応した超早期診断および個別化医療の実現が期待される。

詳しくはこちら。